前回の記事で優しさと甘さの違いそして想いを伝えることの難しさについてふれました。
言葉のチョイスや言い回し、そして伝え方というのは本当に色々なパターンがあり、誰にどのように伝えればいいのかというのは本当に難しいことです。
私自身なかなかおせっかいなタイプで、人に何かを教えるということが好きだということもあり色々な場所で色々な人に“教える”ということをたくさんしてきました。
その中でいつも感じるのは認めることよりも否定することの方が難しいということであり、どういう言い回しが相手の心にすんなり落ちるのかということを何度も試行錯誤してきました。
今回はその中で見つけた「ダメだよ」の伝え方と誰にでも通じるたった1つの真実をお伝えしましょう。
目次
5つの伝え方から“あの人”に効果的な方法を考える
伝え方+相手のタイプ別に使い分けることでより効果的に相手に想いを伝えることができます。
それでは早速「ダメだよ」と伝える場合の5つの伝え方を見ていきましょう
ダメな理由を伝える
人は理由もなく否定されることに違和感を感じ、なかなかすんなりと受け入れることは難しいものです。
ダメな理由を伝えることにより、より相手に理解されやすく、理解したことはそれだけ受け入れやすくなります。
言い回しの例
「それではダメだよ、なぜなら○○だから」
「○○だから、それではいけないよ」
この場合は結論を先に言うか後で言うかで与える印象を変えたり○○の部分を具体的な表現にすることで相手に伝わりやすくすることが出来ます。
具体的な表現をするときは「誰が」「いつ」「どのように」「なぜ」というなことを意識し、多くの情報を与えるようにしましょう。
具体的な表現の例
×「迷惑がかかるから」
○「お客様の時間を奪ってしまい、迷惑になるから」
他には相手が重きを置いているものにフォーカスを当てて
「あなたが○○」
「あの人に○○」
「会社に○○」
「世間から○○」
「お客様に○○」
これらのように誰が誰にどういう影響を与えるのかということを伝えるという方法もあります。
なにより相手が理解しやすい言葉を選ぶということが大切です。
逆に、理解力のない人や直観的な人には「理屈っぽい」と思われる可能性がある。
相談をもちかけるように伝える
どんな言い方をしても他人に否定されることを嫌がる人というのは多いもの
そんな人には「命令」・「依頼」ではなく「相談」をしてみましょう。
言い回しの例
「みんなにこうして欲しいんだけどどうすればいいかな?」
「あなたはどんなやり方があると思う?」
直接的ではなく第三者がもしくはみんながという形にして「やべっ..それ自分もやってるわ」と思わせたり。
直接的にこうしてほしいと告げる場合も相談をもちかけるような言葉遣いにすると柔らかく相手に伝わります。
ただ、あまり回りくどい表現をし過ぎると逆効果になるので、あくまでも相談だというスタンスを貫いた方が効果的です。
もし、相手に否定的な意見を言われてもここは一旦下がって、別のアプローチをしてみましょう。
真面目な人空気が読める人協調性の高い人などに有効。
逆に、頭の回転が早い人や直接的な言い方を好む人には「回りくどい」と思われる可能性がある。
代替案を出す
否定されたことを嫌うというより否定されてもどうすればいいかわからず、結局改善しようとしないという人は必ずいます。
ダメだと否定された時も納得のできる代替案があればその提案をすんなりと受け入れることができます。
言い回しの例
協調性のある人には
「そうするよりみんながしているみたいにこうすると良いよ」
攻撃的な人、承認欲求が高い人、怒られるのに慣れていない人には先に認めていることを伝えるようにすると効果的です。
「今日はいつもよりお客様と楽しそうに話していたね!とても良いことだと思うよ。あと、○○みたいな言葉遣いを○○と言い換えられたら
完璧なんだけどな」
他には代替案をあえて複数出して選択させてあげるのも良いです。
「○○より××か△△みたいにするのが良いと思うんだけどどうかな?」
経験が浅い人、理解力のない人、引っ込み思案な人などに有効。
逆に、経験豊富な人や他人を見下す人には「何を偉そうに」と思われる可能性がある。
自分だったらと想像させる
自分がやったこともしくは言ったことが悪いことだとは思っていない人というのは意外と多いものです。
それがいけないと気付いていない人にはまず、自分に当てはめて考えてもらうといいでしょう。
言い回しの例
「それはダメだよ自分がそうされたらどう思う?」
「それはダメ私だったらこう思うけどあなたならどう思う?」
これらは自分がされた時にどう思うか考えられない想像力がないタイプの人や、初心や相手の気持ちを忘れてしまっている経験豊富な人に「ハッ」とさせる言い方です。
どちらかと言えば言葉遣いや所作に対しての注意に使うことが多そうです。
話をあまり聞かない人には相手の名前を入れるようにして「それはダメだよ○○さんがされたらどう思う?」というと、名前を呼ばれることによって意識がこちらに向くようになります。
想像力がない人、経験豊富な人、話を聞かない人などに有効。
逆に、攻撃的な人や自己中心的な人には「だからなんだよ!」と思われる可能性がある。
相手の求めている姿の逆をつく
どれだけ言っても言葉が響かない人やその概念がないわからず屋には、あいての概念に当てはめた言葉を使うと効果的です。
言い回しの例
「そういうのってかっこ悪いよ」
「それってダサいよ、こうしたらもっとよくなるんじゃない?」など
上の例は本当に見た目に対しての注意の場合に使うとただのストレートな表現になるので、言葉遣いや所作に使って下さい。
ちなみにやりすぎると効果は薄くなるので注意
逆に、勘違いしやすい人や独自の価値観がある人には「は?なにが?」と思われる可能性がある。
伝え方のほかにある1つの真実
それもそのはずで、これらはあくまで手法であり、相手によって合う合わないがあります。
ということは、相手のことがわからないとこれらのテクニックを使うことすらできないということになりますね。
前回の記事でも書きましたが、人に注意を促したり想いを伝える為に一番必要なことは相手を良く知ることです。
これらのテクニックも大切ですが、本当に大切なことは相手がどういう人なのかということを考え、そのうえで良好な関係を築くことです。
仲の良い友達や信頼している上司、たよってくれる後輩など、良好な関係を築けている人からの言葉というのは小細工なしで響きます。
私が考える中で「良好な関係」以上に言葉が響く方法はありません。
この記事のまとめ
ただ、これらのテクニックが不要という訳ではありません。
初めて出会った人、その場限りの人など相手を知ろうと思っても深くは知れない場合というのは確かに存在します。
しかし、これを逆にいうとテクニックを使わないといけないという場面はそう多くはありません。
職場の同僚や先輩、後輩の場合はどうでしょう?今からでも知ることができるんじゃないでしょうか?
知らないことと知ろうとしないことの間には大きな差があります。
知らないなら今から知っていけばいいのです。
知れるチャンスはたくさんあるはずです。
「そんなのめんどくさい」そう思った方もいらっしゃることでしょう。
そうです、人に何かを教えたり他人を思いやるというのは多少なりともめんどくさいものです。
めんどくさいならエスパー級に観察力と洞察力を身に着けるという方法もありますが、どちらが現実的かなんていうのは言うまでもありません。
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