指示をすることの必要性と上手な指示の出し方

あまり指示をしすぎても部下が育たないから私は何も指示をしない。

こういう想いから指示をしないという人もいらっしゃるのではないでしょうか?

人に何かを指示するというのはとても難しく、何も言わないとわからないし、あれこれと指示をしすぎても煙たがられてしまいます。

今回はそんな「人に指示を出す」ということに焦点をあてて、その必要性と上手な指示の出し方について考えていきたいと思います。

指示が必要な場面を知る

部下の成長のため、指示をせずそっと見守ることも大事という考えは私自身も賛成であり過去に何度も実行してきました。

しかし中にはこのことにとらわれ過ぎて、指示することが必要な場面でも指示をしない人がいます。

仕事には指示をしたほうがよい時と指示をしなくてもよい時があり、いくら“成長のため”と考えていてもこれをわかっていないと、部下になんの教訓も生まない失敗をさせてしまうことになりかねません。

では、指示をすることが必要な場面というのはどのような状況のことを言うのでしょうか?

ここではそれをわりやすいようスイカ割りに例えてご紹介しましょう。

スイカ割りをするには指示が必要不可欠

スイカ割りを実際にやったことがないという人もある程度のルールは知っていると思います。

ここでは以下のルールでスイカ割りを行うと仮定しましょう。

  1. スイカを割る人は目隠しをする
  2. スイカから割る人までの距離は5m
  3. スイカを割る人は目隠しをされたらその場で5回程回転する

さて、考えなくてもわかることですがこの状態でなんの指示もなくあなたはスイカを割ることができますか?

答えは多くの場合NOとなるはずです。

ではなぜあなたはスイカを割ることができないのでしょうか?

答えは簡単ですね“見えていない”からです。

このように相手が“見えていない”という状況においては指示することが必要不可欠であり、仕事の場合でも同じようなことが言えます。

仕事において“見えていない”というのは視覚的にという意味ではなく「状況がわからない」「目標が認識できない」いうような状態です。

このような状態で指示をしないというのは責任放棄に近く、これでは部下は困惑してしまうばかりでうまく仕事ができるはずがありません。

多くの場合「指示を受ける部下」よりも「指示をする上司」の方が会社の意志を理解しており、部下には見えていない景色まで見えているはずです。

だからこそ「見えている上司」はしっかりと部下に指示をだす必要があり、指示をだす側にはその責任があるということを忘れないようにしましょう。

上手に指示するための6つのポイント

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指示というのは、指示したことが相手に正しく伝わり相手がしっかりと行動できてこそ意味があり、相手に不信感や不安を与えてしまうような指示というのは正しく機能しないことがあります。

うまく指示をだすポイントというのはたくさんありますが今回はその中でも重要なポイントを6つご紹介しますのでぜひ、参考にしてみてください。

相手の状況をよく見る

どれだけ正しい手順で、どれだけ正しい指示をだしても、相手の状況を無視した指示というのは時に反感をかうことになります。

相手が今どういう状態なのかということをしっかり観察し、なるべく相手の負担にならないタイミングで指示を出すようにしましょう。

理由をしっかり伝える

指示の中には相手の見えている景色や知っている情報の中だけでは、その意味がわからないものも多数存在します。

「なんでもかんでも理由がなければ動けない」というような人ばかりではないですが、可能な限り指示をする理由を伝えるようにしましょう。

とくに相手が部下の場合などでは、その指示を不服と思っていてもなかなか口に出してはくれません。

しっかり理由を説明することによって「なるほど、そういうことか」と相手に理解を与えスムーズに動いてもらうことができます。

伝わっているか確認する

指示がしっかり伝わっているか確認するときに「わかった?」と聞くのはあまりよくありません。

なぜなら相手がわかっているつもりでも実際には十分に理解できていない(勘違いしている)可能性があるからです。

これを防ぐためには、相手に指示を復唱させるようにすると効果的です。

そして最後には「わかった?」ではなく「質問はある?」と聞いてあげましょう。そうすることによって今ある疑問が解消され相手の理解が深まるようになります。

具体的に指示する

「ちょっと」「すこし」「たくさん」など曖昧な表現を指示の中に入れてしまうと自分と相手の認識のズレがある場合、思ったような成果がでないことがあります。

指示をする時は必要に応じて具体的な表現を使うようにしましょう。

逆にその仕事に対してよく知っている相手に1から10まで指示してしまうと煙たがられることがあるので、状況や相手によって使い分けられればベストです。

期限を伝える

期限がないタスクに対して、効率よくこなすということがあまり得意ではないという人は思いのほかたくさんいます。

このような人にはどんな指示にもしっかりと期限をもうけましょう。

あまり期限に余裕がありすぎてもだらけてしまうので、相手が可能か不可能かのギリギリのラインを見極め、そこに期限を設定することによってタスクに集中させることができ相手の成長にもつながります。

途中と最後に確認する

指示した後、その指示を実行している途中で相手に進捗状況を確認したり、最後に結果を確認することは非常に重要なことです。

途中の確認はミスを未然に防ぐだけでなく相手に「見られている」という意識を与え緊張感をもって仕事をしてもらうことができます。

そして指示を投げっぱなしにすることなく、最後にしっかり確認し認めるべきところを認め、だめなところを正し、褒めるべきところをほめてあげればそれが信頼につながり、次の指示でも相手はスムーズに動いてくれるようになります。

この記事のまとめ

メモ

自分の気持ちを相手に正しく伝えるというのはとても難しいことであり、指示というのは伝えるだけではなく実際に相手に動いてもらう必要があるため、ただ伝えることよりも難しいことだと言えます。

だからこそ「指示をだすのは苦手」という人の中には、この記事を読んだだけではなかなか苦手を克服することができないのかもしれません。

そこで次回は、指示を出すことがなぜ苦手なのかという点に焦点をあてて、それぞれのタイプに合った改善策をご紹介します。

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